荒井先生は2014年1月に初めて阿佐谷ワークショップにお越しになり、今までの自分がやってきた事を後進の人々に伝え残していきたいと熱弁を振るわれました。初対面の私はその迫力に圧倒されました。あれよあれよといううちに3年間に亘るシェイクスピアを中心とした大講演会を阿佐谷ワークショップで実施することが決まっていきました。
以下のリストが荒井先生の企画一覧です。第12回までは荒井先生自ら陣頭に立ち、会を仕切っておられましたが、2015年4月8日にご逝去されました。13回以降は主のいなくなった中で関係者の皆さんの大変のご努力により最後の3年目12月まで到達できましたことは素晴らしいことだと思います。
荒井先生!我々はやりましたよ!
2017年8月 阿佐谷ワークショップ 佐竹 徹
2016年12/17 第28回
第一部 英国形而上詩人ジョン•ダン作品日英語朗読会、講演並びに日英語朗読(高木登、清水英之)
『ソングズ•アンド•ソネッツ』、『ホーリー•ソネッツ』他散文集より
高木登:1969年北九州大学外国語学部米英学科卒。高校在学中、北九州の同人詩誌“沙漠”で詩を書き、大学在学中は詩誌“GRIFFIN”を発行し、詩集を自費出版する。1994年から、“原書で読むシェイクスピアの会”(現:雑司ヶ谷シェイクスピアの森)でシェイクスピアの作品を読み続けている。John Donne全詩集の翻訳をHP(あーでんの森散歩道)に掲載。荒井良雄先生亡き後、新地球座の逍遥訳シェイクスピアの朗読劇台本制作を担当している。
清水英之:1981年学習院大学大学院博士課程単位取得退学。元静岡英和学院大学教授。大学院時代より今日までJohn Donneの研究を続けている。学生時代より指導教授であった荒井良雄氏からシェイクスピア研究及び英詩原語朗読の指導を受けた。現在は、大学の非常勤講師、英詩の朗読活動、シェイクスピア朗読劇で活動中。
第二部 荒井良雄記念山茶花クラブ•クリスマス朗読会
英米の文学作品原語朗読:山茶花クラブ会員
故荒井良雄先生が創設した山茶花クラブのメンバーが英米日のクリスマスに因んだ文学作品を原語及び日本語で朗読。
2016年11/23 第27回
「荒井良雄先生のシェークスピア研究〜舞台上演、映画研究から狂言、朗読まで〜」
講師:広川治
2016年10/29 第26回
上田(宗片)邦義(静岡大学名誉教授)の講演とリサイタル
第1部 講演「英語能の可能性」
第2部 英語能リサイタル「ロミオとジュリエット」
2016年06/18 第25回
シェークスピアと音楽
出演:清水英之
第1部 講演「シェークスピアと天上の音楽」
第2部 シェークスピアソングズ・リサイタル
2016年05/21 第24回
第1部 朗読
「映像エネルギー沸騰の修羅の黒澤時代劇『蜘蛛巣城』」
朗読者:白井真木(女優)
第2部 講演「黒澤明と『マクベス』」
講師:白井佳夫(映画評論家)
2016年04/16 第23回
第1部 講演
「英国のシェークスピア、日本のシェークスピア」
講師:吉岩正晴
(演出家、ハーフムーン・シアター・カンパニー代表)
第2部 朗読パーフォーマンス
「ガートルードとクローディアス」
作:ジョン・アップダイク
訳:河合洋一郎
朗読台本:吉岩正晴
出演:佐藤昇・白井真木
2016年03/19 第22回
第1部 講演「近代劇場のシェークスピア劇上演と演出」
〜加藤長治と荒井良雄の思い出を中心に〜
講師:菊池明(逍遥協会元理事長)
第2部 朗読の実演
岡本綺堂作「番町皿屋敷」
出演:菊池明・長谷川紫穂・山本典子・伊藤五十鈴(芝居をよむ会)
2016年02/20 第21回
第1部 講演「能『ロミオとジュリエット』の世界」
講師:上田(宗片)邦義(静岡大学名誉教授)
第2部 能「ロミオとジュリエット」のワークショップ
2015年12/12 第20回
第一部「大学のシェイクスピア劇原語上演」
講師:瀬沼達也(YSG座長)
第二部「演劇的朗読Romeo and Juliet・Midsummer Night`s Dream 」
出演:瀬沼達也、関東学院大学学生
第三部 クリスマスパーティー
2015年11/27 第19回
第1部
「国際学会と日本のシェイクスピア、第1回世界シェイクスピア学会の思い出」
講師:川地美子(元杏林大教授、文学博士)
第2部
「第5回国際シェイクスピア学会東京大会が残したもの」
講師:佐々木 隆(武蔵野学院大学教授)
2015年10/17 第18回
私のシェイクスピア観照記
講師:高木 登(シェイクスピア観照家)
2015年8/29 第17回
第一部「逍遥とシェイクスピアの語りの世界」
講師:平辰彦(比較文学学者・文学博士)
第二部「劇的朗読ワークショップ 外郎売り」
朗読劇、出演:松川真澄(劇的朗読家・女優)
2015年7/18 第16回
第一部「私の演劇人生と畏友荒井良雄の想いで」
講師:永野誠(元,東宝演劇部プロデューサー)
第二部「ビリクルーズ」坪内逍遥訳、荒井良雄朗読台本
出演:久野壱弘(新地球座)・倉橋秀美(新地球座)
2015年6/29 第15回
<故荒井良雄追悼の集い>
第一部「自由諸学派の旅人、荒井良雄」
講師:佐藤漠河
第二部「荒井良雄を偲ぶ集い」
出演者:小沼恵子‣松田宣子・女鹿伸樹・金川博・東儀雅楽子・磯田恵子・円藤一弥・蔀英治・西園寺延子・二宮浩子・弘中史・増田光・藤平英一
2015年5/16 第14回
「坪内逍遥の諸演劇」
講師:濱口久仁子(早稲田大学演劇博物館招聘研究員)
2015年4/11 第13回
「比較演劇学からみる日本の沙翁」
講師:平辰彦(比較文学学者・文学博士)
出演:松川真澄(劇的朗読家・女優)
2015年03/07 第12回
「受容を通して見る日本文化」
講師:佐々木 隆(武蔵野学院大学教授)
2015年02/21 第11回
「坪内逍遥のシェイクスピア」地球座から新地球座へ
講師:荒井良雄(元山路ふみ子文化財団理事長)
(解説)1950年秋、学習院大学英文科一年生のとき、近代劇場公演「間違いつづき」を大隈講堂で観て以来、今日までの65年間一貫して逍遥訳のシェイクスピアの研究と上演を続けてきた日本で唯一の英語英文学者。
近代劇場と近代座で舞台に立ち「ヴェローナの二紳士」の日本初演を演出したほか劇団顧問を務め、逍遥協会評議員としても会報や論集やパンフレット等に寄稿、講演や朗読はもとより、10冊を超えるシェークスピア劇の著作でも絶えず逍遥訳に言及してきた。今日の講演はその総集編で最終回になる。(講師本人記)
2015年01/31 第10回
「日本のリア王」
〜平幹二朗のリアを中心に〜
講師:藤原博道(シェイクスピア上演研究家)
2014年12/06 第9回
「クリスマスリサイタル&パーティー」
〜東西文化と和洋学芸を楽しむ会〜
出演:山茶花クラブ・新地球座ユルフラ教室・
ウエスタンダンス・手話ダンス
2014年11/01 第8回
講演:「禅で日々是好日」〜禅は世界共通の心理〜
第1部「大拙とブライスと安倍院長」
講師:荒井良雄(駒澤大学名誉教授)
第2部「ブライスと禅と川柳」
講師:川田甚生(文学博士・プライス研究家
禅を英語で国際化した最大の功労者は鈴木大拙博士であった。大拙に師事した英国の文人R.H.プライスは「禅と英文学」を書き、俳句と川柳も英訳して、禅の心を世界に広めたが、二人の禅学者は「禅」にあたる英語による普遍化には至らなかった。
英文学者の荒井良雄は大拙の「禅と日本文化」とプライスの「禅と英文学」を読み解いて「禅と英語文化」(2009年)で日英協会賞を受賞した。今回の講演で「禅」にあたる英語が提示される画期的な講演会である。
2014年10/18 第7回
講演「オスカーワイルドの人生と芸術」
〜パラドックスの美学と効用〜
講師 木村克彦(作新大学教授・ワイルド研究家)
戯曲「サロメ」や小説「ドリアン・グレイの肖像」、手記「獄中記」や童話「幸福の王子」などで知られるアイルランド生まれの人気作家オスカー・ワイルドの人生と芸術の関係を中心に、ワイルド文学の魅力と本質を語る。講師は「ワイルド作品論」(新樹社)や「ワイルドとペーター」(英光社)などの著作があるワイルド研究一筋の英文学者・木村克彦先生。
2014年09/20 第6回
講演:「狂言シェイクスピアの世界」
講師 菊地善太 (東西文化融合学会事務局長)
2014年07/19
第5回
講演:「能シェイクスピアの創造をめぐって」
講師:上田邦義(静岡大学名誉教授・文学博士)
2014年06/29 第4回
講演:「英文法・作文・講読を一体化した実用英語習得法」
講師:荒井良雄(学芸観照家・朗読家)
2014年06/08 第3回
講演「やさしい朗読から一人芝居へ」
講師:荒井良雄(学芸観照家・朗読家)
朗読、出演:蔀英治(俳優)
公開朗読(Public Reading)の元祖は19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディッケンズで、21編の朗読台本を残したが、作家自身で朗読したのはそのうち16編でした。
全21編を世界で最初に完読したのはきょうの講座の講師、荒井良雄で、続いて俳優の佐藤昇が翻訳版で21編の完読を成就した。
今回のワークショップではやさしい朗読の初歩から一人芝居まで、言葉の音声表現の世界を紹介いたします。
2014年05/25 第2回
講演「山路ふみ子のグローブ座再建秘話」
講師:荒井良雄(元、山路ふみ子財団理事長)
2014年04/29 第1回
講演「日本のシェイクスピア」
〜ベニスの商人の関西弁シャイロック〜
講師:荒井良雄
出演:前島幹雄(俳優・俳優座出身)
日本で最初に「ヴェニスの商人」が上演されたのは、翻案「何桜彼桜銭世中」(なんじゃかじゃぜにのよのなか)です。明治18年(1885年)5月に初世中村宗十郎等の出演による大阪戎座での公演でした。
それ以降「ヴェニスの商人」は上演回数が最も多いシェークスピア劇となって「ハムレット」とともに広く知られるようになりました。
英文学者で翻訳家の中村好夫がシャイロックの名セリフを関西弁に訳して話題になったこともありました。
今回は前島幹雄が独自の解説で「一人語り」として初演いたします。
上演後のワークショップでは中野好夫訳の関西弁指導に加えて言語朗読の希望にも応じます。